2015年に解禁された光コラボレーションによって、日本国内には様々なサービスが出てきました。その中でも2017年にサービスを開始した「enひかり」が注目を集めています。
今回は、この「enひかり」の料金や速度、オプションサービスなどをご紹介すると共に他の光回線と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
enひかりとは、2017年の9月にサービスを開始した光コラボのことで、最大の魅力はサービスのシンプルさにあります。
光コラボとは、フレッツ光回線を光コラボ事業者が自社ブランドとして販売を行うサービスのことですので、enひかりの中身はフレッツ光ということになります。光コラボは2018年現在800社以上が参入していると言われていますが、その数ある光コラボの中でもenひかりは最安値の水準であることも大きなメリットです。
また、enひかりを運用する緑人はWiMaxなどを提供する会社でもあります。その「縁」あってか、低価格でのWifiレンタルサービスも特典として利用できます。 家には光回線があるのでWi-Fiを使う価値はありませんが、例えば頻繁に旅行に行く場合にはWi-Fiがあると便利ですから、俗に言う「リア充」たる読者諸君などにとっては「マジ?いいじゃんそれ。」なのではないだろうか。
さて、先程enひかりは最安値水準と言いましたが、本当に最安値なのだろうか。――流石に、当サイトとしても800社全ての光コラボのサービスをチェックしているわけではないが、かなりの数の回線のサービスについては頭に入っている。
筆者の灰色の脳細胞をフル稼働させて各回線を比較した結果、enひかりは最安値という結果になりました。――といっても読者諸君は納得しないことは知っておりますので、ちゃんと検証しましょう。まずはenひかりの月額料金についてだが、以下の通り。
プラン | 戸建て/ 月 | 集合住宅 / 月 |
---|---|---|
ネット | 4,300円 | 3,300円 |
ネット+電話 | 4,800円 | 3,800円 |
ネット+電話+テレビ | 5,460円 | 4,460円 |
光回線に関して造詣が深い読者諸君などはピンとくるかもしれないが、多くの読者は「なにこれ?安いの?」状態だと思いますので、以下では主要な光回線と月額料金を比較していきたいと思います。
――さて、ここでは電話料金やテレビの料金については考慮せずにネットのみの料金で比較していきたい。なぜなら、電話料金はどの回線でも変わらないし、ひかりTVもほとんど同じだからです。
前置きはこの当たりにしておいて、一覧で比較すると以下の通り。
回線名 | 戸建て/ 月 | 集合住宅 / 月 |
---|---|---|
enひかり | 4,300円 | 3,300円 |
ソフトバンク光 | 5,200円 | 3,800円 |
ドコモ光 | 5,200円 | 4,000円 |
OCN光 | 5,100円 | 3,600円 |
ソネット光 | 4,600円 | 3,500円 |
フレッツ光 | 5,700円 | 3,850円 |
auひかり | 5,100円 | 3,800円 |
NURO光 | 4,743円 | 4,743円 |
eo光 | 4,953円 | 4,953円 |
比較してみるとやはり全然安い。――とはいえ、ここで比較したenひかりとフレッツ光以外の回線は携帯電話とのセット割引が受けられるため、割引のことを考慮するとむしろenひかりが高いなんてことにもなるのだが、純粋な月額料金については最安値であることがご理解いただけたのではないだろうか。
しかしここで注意しておきたいのは、安いからと言って飛びついて契約しないことだ。飛んで火に入る夏の虫とはまさにそのこと。
――光回線は基本的に携帯電話とセットで契約するのがおトクになります。例えばソフトバンクの携帯を使っている方はソフトバンク光を契約することで1台につき1,000円の割引を受けることができます。 例えば夫婦二人暮らしでソフトバンクのスマートフォンを使っている場合、仮に5GBのデータ定額で契約していたとしましょう。この場合毎月2,000円の割引を受けることができます。
ですので、ソフトバンクの携帯電話を持っている場合、実質ソフトバンク光の利用料金は戸建ての場合は3,200円、集合住宅の場合は1,800円となります。これはenひかりより安いですね。
もちろんソフトバンク以外にもドコモユーザーならドコモ光で、auユーザーならauひかりで同じクラスの割引を受けることができますので、この割引を利用して回線を契約するほうがおトクです。ちなみに格安SIMやMVNOを利用している場合でも対応の光回線を契約することで割引を受けることができますので、以下の記事をチェックして探してみてください。
光回線の口コミをみていると、「光なのに遅い」という口コミがあるため、速度について不安に思っている方もおられるかもしれませんね。
――ただ、よほどイレギュラーな使い方をしない限りは速度にこまることはありません。だいたい80Mbpsくらいの速度は期待することができます。――というのも、「光回線なのに遅い」という口コミを投稿している人達は、使っているルーターが悪いのに光回線のせいにしているだけである可能性が高いからです。
光回線なのに通信速度遅い人で安物のルーター使ってる人は思い切って1万円以上するルーターにしてみ?通信速度2.3倍は速くなるから(実体験)
— Peanuts (@kuzupeanutsspl) August 7, 2018
以前に「光回線の速度はどれくらい?」でも解説した通り、フレッツ光回線(光コラボ)でも80Mbps程度の速度は出ます。光回線なのにも関わらず50Mbps以下の速度になる場合は、マンションの設備に問題がある場合、ルーターに問題がある場合くらいしか考えられません。
つまり、遅い時にどこに問題があるのか調べるなりして解決することができる人なら速度に関して心配する必要はないということです。
以下ではその他のenひかりのメリット・デメリットについて整理していきたいと思います。まずはメリットから!
通常光回線の契約には2年あるいは3年の契約期間というものがあります。そして、2年に1回訪れる契約更新月以外の解約には違約金が発生します。
enひかりには契約期間の縛りがありませんので、いつでもすぐに解約することができるのです。これは引っ越しを頻繁にするヤドカリ族には嬉しいポイントではないでしょうか。
enひかりを契約していると、1泊2日の料金で4泊5日のWi-Fiレンタルを利用することができます。これは通常4泊5日でレンタルする時に比べて、1,560円安くなります。これには旅行好きの皆さんもニンマリ。
ちなみにレンタル料金は1日390円、往復の送料で870円がかかるので、4泊5日で1,650円になります。
フレッツ光・光コラボは3030万あると言われる光回線契約数の70%のシェアを持つ光回線です。――つまり、2000万人くらいがフレッツ光回線を使っているわけですね。
光ファイバーは1本で100Tbpsを超える伝送能力があると言われていますが、さすがにこれだけの人が回線を利用すると混雑ポイントというものが生まれてしまいます。 この混雑ポイントが光コラボやフレッツ光が「他の回線に比べて速度が遅い」と言われている原因です。
これを回避するものがIPv6というものです。IPv6とは新しいインターネットのことで、本項では詳しく解説しないが、プロバイダのv6オプションというものに加入して、IPv6対応のルーターを購入することで利用することが可能です。
enひかりは、このv6プラスオプション(月額180円)に対応している光回線です。――ただ、他の回線のv6プラスは基本的に無料で提供されているので、180円かかるのは少し残念ですね。
続いてはデメリットについて整理していきましょう。
フレッツ光から転用をする場合には問題ないのですが、新規契約をする場合は回線工事を行う必要があります。この時に、多くの人気回線では契約を2年~4年続けることで工事費が実質無料になる割賦割引が適用されるのですが、enひかりのはこれがありません。そのため、どうしても初期費用として15,000円がとられてしまうことになります。
解約手数料が無料であるため、工事費まで無料にしてしまったら、「工事だけenひかりにお願いしてすぐに解約→他の光コラボを契約」みたいなことが発生するので、赤字が出てしまいますからね。
これはいつでもすぐに解約できることの代償だと思って我慢するしかなさそうです。
例えばソネット光を契約した場合は、×××@sonet.co.jpみたいなメールアドレスが新しく提供されます。enひかりにはこれがありません。
ただ、インターネットに明るい皆さんご存知の通りyahooメールやgmailのようなフリーメールアドレスがありますから、プロバイダのメールアドレスなんて必要ないと言えば必要ないですよね。
これは大きなデメリットとはなりませんが、もしかしたら不便に感じる人もいらっしゃるかもしれませんので、一応デメリットに数えておきます。
enひかりの運営元である「株式会社縁人」は、社員15名の小さな会社です。――そのため、とても充実したサポートができるとは思えません。
インターネット回線事業の他にも様々な事業を展開している会社であるため、基本的に出張サポートや電話による問い合わせには応対してもらえないものだと考えておいたほうが良いでしょう。
上記のプロバイダのメールアドレスの件もありますし、どちらかと言えばインターネットやパソコン関係の情報に詳しくて、すぐに解決方法を見つけることができる人向けの光回線といったところでしょうか。
enひかりがおすすめなのは、以下のようなことに当てはまる人です。
まず、充実したサポートを受けられないという点を見ても、やはり若い一人暮らしの人にターゲットを絞っているような気がしますね。
次に光回線の割引をチェックしてみても、enひかりは携帯電話を複数台数契約している場合におトクな光回線と言えなくなってしまいます。ただし割引を適用させるためには固定電話を契約する必要がありますので、その分月額が増えることになります。一人暮らしの場合は固定電話はいらないでしょうし、enひかりは月額料金が安いので、enひかりのほうがおトクになるというわけです。
こういったことからも、やはりenひかりは筆者のような寂しい独り者向けの回線であると言えるでしょう。
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