インターネット回線は、電話回線やADSL回線を使用してきましたが、同時に利用する人が多くなればなるほど、通信速度が低速化することに不満が多く生じていました。たとえ月額使用料が高額になっても、少しでも高速通信を契約してストレスなく利用しようとした人もいるくらいです。
こんな不満も、超高速通信が可能になった、光回線ではあまりみられなくなりました。しかし、近年では、光回線を契約する家庭が多くなり、同時に利用する人が増加。回線が混雑し、通信速度が低下する現象が発生するようになってしまったのです。
それもそのはず、もっとも普及している「フレッツ光」はFTTH市場の67.8%と高いシェアを占めています。これは、光コラボも含まれますが、かなり多くなっているといえます。
これを反映してか、プロバイダやルーターで「IPv6対応」というフレーズを頻繁に見かけるようになりました。この「IPv6対応」とはどういったものなのでしょうか。
この記事の目次
IPv6とはどういったものなのでしょうか。簡単に説明します。
まず、IPv6とは「Internet Protocol Version 6」の略称で、「IPアドレス」いわゆるプロトコルの名称のひとつを意味している用語です。プロトコル(Protocol)とは、日本語に訳すと「規約」です。要するにインターネットに接続するためのルールのことをIPv6と言うのだと考えていただければ良いです。
例えば、自動車が走る道路を思い浮かべてみてください。下道と高速道路では違った「交通ルール」が決められていますよね?この交通ルールが「プロトコル」です。
さて、少し小難しい話をしますが、実は、現在私達が利用しているインターネット・プロトコルはIPv4というものです。このIPv4というプロトコルがつくられた時には、「これくらいあれば、IPアドレス(インターネット上の住所みたいなもの)は足りるよね?」と考えられていました。しかし21世紀に入ってからインターネットは急速に普及をはじめました。スマートフォンや光回線というサービスが出てきたためです。
つまり、世界中のいろんな人がインターネットを利用しているがために、IPアドレスが足りなくなってしまったのです。分かりやすく言うと、インターネットという国が人口過多になってしまい、住むことができる場所がなくなってきたということです。
話を戻しますが、このIPv6を利用することで、IPv4では枯渇しかかっているIPアドレスの数を事実上無限大にすることができます。IPv6インターネットでは、全人類がインターネットを利用しても一人10以上のIPアドレスを持つことができるくらいに余裕があると言われています。
また、IPv6では暗号化通信機能が標準化されていることから、暗号化通信「SSL化(https://~)」に対応していないウェブサイト「非SSL化(http://~)」でもセキュリティを保った通信が可能になりました。
なお、日本でのIPv6利用率は26.32%になっています。
そんなIPv6ですが、巷では「IPv6=高速通信の手段」という認識になってしまっています。
IPv6は、「高速通信IPv6」といわれていますが、IPv6が高速通信という意味ではありません。実際には、枯渇するIPアドレスの数を補うものです。
確かに、IPv6というプロトコルでのみ使えるIPoEという接続方式が混雑ポイントを避けて通信を行うことができるため、高速通信を実現できます。しかし、IPv6に接続したからといって自動的にIPoE接続になるかと言うと、答えはNO。IPv6を利用しても従来型の接続方式である「PPPoE」を利用している限り、通信速度は混雑が起こったときには遅いままです。
「IPv6⇒IPoE⇒速い」ということであって、「IPv6⇒速い」というのは早とちりなのです。
もっとも、新しい方式である「IPv6 IPoE方式」にはデメリットがあります。具体的には、IPv6を利用すると通信速度が遅くなってしまうということです。
「んん!?さっき早くなると言ったではないか!」などと思われる方も多いと思います。ただ、これは事実であって、詳細は割愛しますが、IPoE接続でPPPoEにしか対応していないIPv4インターネットに接続すると、どんなに高速の回線を使っていても最大通信速度は200Mbpsまで落ちてしまいます。
「IPv6 IPoE」によって高速通信を実現するためには光回線のプロバイダと契約し、それに対応するルーターを用意して接続するだけでは足りません。WEBサイトもIPv6に対応させる必要があるからです。IPv6インターネットを利用するためには、PC、ルーター、ONU、回線、プロバイダ、WEBサイト全てがIPv6に対応している必要があるのです。
しかし2018年現在のWEBサイトにおいて、IPv6の接続に対応できているケースはまだまだ多くありません。
このため、単純にIPv6にしても移行期である現在は、損をしてしまいます。これではいつまで経ってもIPv6へ移行することができなくなってしまいます。そこで出てきたのが、IPv6 over IPv4というものです。
IPv6に対応していないサイトについても、「IPv4 over IPv6」を利用することによって、高速通信を実現できるようになります。「IPv4 over IPv6」は、IPv4しか対応していないサイトでも「IPv6 IPoE方式」で接続することができる技術のひとつなのです。この技術も詳しく解説すると専門的な話になってしまうため、詳細は割愛しますが、「IPv4 over IPv6」を利用すればIPv4インターネットでも高速で通信できるのだと知っておいてください。
つまり、インターネットの速度を最大限引き出すためには、IPv6インターネットは「IPv6 IPoE」で接続してIPv4のインターネットには「IPv4 over IPv6」を使って接続すれば良いのです。
さて、なんだか難しそうですが、しっかり自動で切り替えてくれます。この自動切り替えオプションのことを「IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6」といいます。この方式を利用すると、IPv6対応のサイトにはIPoEで接続、IPv6未対応のサイトにはIPv4 over IPv6を使ってIPoE接続をするといった、方式に応じて接続方法を変えて、高速通信を可能にしているのです。
この方式は、「v6プラスオプション」や、「IPv6オプション」などといったオプションに加入すれば利用可能になります。
なお、「ソフトバンク光」で使える「Yahoo!BB」は「IPv6 IPoE + IPv4」を利用しているため、「IPv4」ではPPPoE接続を利用するため通信速度が遅くなってしまいますので、注意が必要です。
IPv6に対応するには、IPv6ルーターやその方式に対応したPCを使うという方法があります。他方、IPv6対応の光回線を使うという方法がありますが、実際にはほとんどの光回線は対応済になっていますので、あえて選択する必要やIPv6のために乗り換える必要がないかもしれません。
また、「GMOとくとくBB」、「OCN」、「BIGLOBE」、「So-net」などといったプロバイダは、「IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6」に対応しています。そのため、これらのプロバイダを選んで契約するという方法もあるのです。
プロバイダのIPv6オプションといったサービス、たとえば、「v6プラス」や「IPv6オプション」など各社で名称は異なりますが、こういったオプションサービスに加入することでも、高速通信を利用することができます。
回線の混雑で低速化になり、利用しづらくなっている場合は、これらの方法を選択してみるのがおすすめです。
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