沖縄の携帯電話事情は本州と比較すると特殊な点が多々あります。沖縄は離島が多いという特色があり、携帯電話設備の普及が遅れてしまったため、独自の発達を遂げたといってもよいでしょう。
たとえば、沖縄の携帯電話環境を整えたのは沖縄セルラーという、複数の沖縄企業が出資して設立した会社というところからしてユニークです。現在でも、大手キャリアの電波状況が悪いエリアでも、沖縄セルラーはつながりやすいともいわれています。
そんな沖縄でお得に携帯電話を使うには、どのプランを選択すれば良いのでしょうか？ また、格安スマホを契約することはできるのでしょうか？ 気になる沖縄の携帯電話事情について調べました。
1985年の通信事業自由化により、NTTが独占していた自動車電話事業に京セラグループが参入。この時に設立されたのがDDIセルラーグループでした。DDIセルラーグループは関西セルラー、東北セルラーなど地区ごとに企業がありましたが、その中のひとつが沖縄セルラーだったのです。
2000年にDDI、KDD、日本移動通信が合併した後は、北海道セルラーから九州セルラーまで統一しましたが、沖縄セルラーだけはそのまま残されました。なぜかというと、沖縄セルラーは地元に特化した経営を行っていたことと、グループ各社の中で唯一、店頭公開していたからです。
現在の沖縄セルラーが提供しているサービスは、基本的にKDDIのauと違いはありません。つまり、沖縄セルラーの正体はauというわけです。しかし「auシカ！」という沖縄セルラーオリジナルのキャラクターがいるなど、独自性も維持。そして、ドコモ、ソフトバンクは沖縄の設備投資で遅れをとったこともあり、沖縄では沖縄セルラー一強時代が続いている状態です。
今、通信業界ではワイモバイル、UQモバイルなど、大手キャリアのサブブランドのリーズナブルなサービスが注目されています。沖縄では、サブブランドさえも地元企業が運営していることが大きな特徴です。
たとえば、UQモバイルはUQモバイル沖縄、ワイモバイルはウィルコム沖縄となっています。さらに、UQモバイルは沖縄セルラーの子会社なので、離島でもつながりやすいという強みが人気です。
一方、ウィルコム沖縄では、かつてはハートフルコースという満60歳以上を対象としたサービスなどがあり、シニア層にもその名を知られています。
格安スマホは、ドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。沖縄にはいずれの回線もあるので、本州の格安スマホを利用することも可能です。
さらに、沖縄では格安スマホも独自のものがあります。たとえば、レキオスモバイルは、もともとは沖縄で集合住宅向けのインターネットサービスを行っていた会社がドコモ回線を借りて立ち上げた格安スマホサービスです。
レキオスモバイルでは沖縄タイムスの電子版とセットになったプランもあるなど、沖縄で生活する人のことを考えたサービスになっています。まさに、地元企業ならではといえるでしょう。
沖縄で携帯電話の契約をするならば、どのエリアで使うかによって最適なキャリアは異なります。もし、那覇周辺ならばどの大手キヤリアでも問題ないでしょう。
しかし、離島で使うことが多いならば、沖縄セルラーが構築した強力なauネットワークがおすすめです。他のキャリアのように離島で3G回線になったり圏外になったりする心配もほぼありません。
したがって、格安スマホも離島で使用することを考えれば、au回線を使用しているものがおすすめということになります。しかし、ドコモ回線とはいえ、沖縄独自のサービスを展開するレキオスなども捨てがたいところです。まずは、携帯電話の使用状況を見直して、自分にとってピッタリのサービスを契約してみてはいかがでしょうか。
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