パソコンやスマートフォン、タブレット端末を無線でインターネットにつなぐことができる無線LANルーター。スマートフォンがこれだけ普及した社会ですから、光回線を利用する上で必須の機器といっても過言ではないでしょう。
しかし、一括りに無線LANルーターとはいってもその機種は様々で、メーカーも数社あればそのメーカーからも10数種類の機種がそれぞれ販売されています。——では、この複数ある無線LANルーターは何を基準に選べば良いのでしょうか?
今回は、無線LANルーターの選ぶときにチェックしておきたいポイントについてご紹介していきたいと思います。
無線LANの規格というのは常に進化を続けており、1998年にIEEE 802.11が標準化されて以降、様々な規格が出ています。最近の規格は具体的には以下の通り。
無線LAN規格 | 通信速度(最大) | 周波数帯 |
---|---|---|
IEEE802.11ad | 6.7Gbps | 60GHz帯 |
IEEE802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11n | 300Mbps | 2.4G帯/5GHz帯 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 |
上記の規格には、それぞれ速度の速さと特徴があります。例えば、11adは電子レンジなどの他の家電製品が発する電波の干渉を受けにくい一方で、障害物などには弱く、部屋を隔てての通信は不安定になりがちです。逆に11nは電化製品の電波干渉を受けやすい一方、障害物には強いという電波特性があります。これは、無線LANの周波数帯に依存します。
要するに、5GHz帯の電波は障害物に強いという特徴があるものの、電波干渉を受けやすいため、電子レンジを稼働しているときに電波が弱くなる一方、障害物には強く、2.4GHz帯の周波数であれば障害物に弱いというデメリットがある一方で電波干渉を受けにくいというわけです。
もちろん、自宅内に無線LANを設置する場所を選ぶことで、この電波特性の弱点をカバーすることもできますが、部屋のレイアウト上最新の規格よりも古い規格のほうが安定した通信ができる可能性もあるのです。
ただ、最近の無線LANルーターには、2.4GHzの周波数と5.0GHzの周波数の両方を搭載したものも多いため、不安であればこのような製品を選ぶと良いでしょう。
無線LANルーターには、最大接続台数というものがあり、基本的にこの接続台数を超えるデバイスをルーターに接続することはできません。——例えば、家族4人でスマートフォンやパソコンを一斉に接続するようなケースでは、「最大接続台数4台」のルーターでは少し不安ですよね?
一方で最大接続台数20台のルーターを一人で利用するようなことは、宝の持ち腐れということになってしまいます。
皆さんがどのようにインターネットを利用するのかということを考えてみて、最適な最大接続台数のルーターを選ぶようにしたいです。
皆さんは「光回線なのに遅い」という口コミを見かけたことはありますでしょうか? 実体験から「光回線なのに遅い」と感じたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
光回線を利用しているのに通信速度が低速だと感じてしまう原因には、ルーターの転送速度が問題の可能性が問題である可能性もあります。
転送速度というのは、ルーターが1秒間に処理することが可能なデータ通信容量のことで、一昔前のものであればせいぜい50Mbps程度のものもあります。光回線の通信速度が1Gbpsであるのに、ルーターが50Mbpsの速度でしかデータを処理できない状況であれば、ルーターがストッパーとなってしまい、体感の通信速度が50Mbps以下になってしまうのです。
せっかく光回線を使うのであれば、快適な速度でインターネットを利用したいですよね? そのような場合は特に注目しておきたいのが、転送速度というわけです。1Gbpsの光回線を利用するのであれば、1Gbpsの転送速度のルーターはオーバースペックになりますが、より快適に利用するためには500Mbps前後のものを購入するのがおすすめです。
最近販売されているルーターは、転送速度が300Mbps以上のものがほとんどですので、「ルーターが原因で遅い」と感じることは滅多なことがない限りないと思いますが、速度にこだわるのであれば、転送速度に注目してルーターを選ぶと良いでしょう。
無線LANは家中どこでも利用することができて便利なものですが、特に集合住宅に住んでいる場合、セキュリティ面の不安もつきまといます。具体的には通信内容が盗聴されたり、Wi-Fiのタダ乗りをされてしまったり…というものです。
このセキュリティ規格として最新のものが、WPA3と呼ばれるもので、2018年に策定された新しい規格です。
「最新のものであれば良いというわけではないのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、古い規格は悪意あるサイバー犯罪者達によって研究されつくしているため、セキュリティの穴がすでに世の中に広がってしまっている可能性が高いのです。このため、できる限り従来の弱点をカバーした最新のセキュリティ規格が搭載されているもののほうが、基本的に安全であると判断して良いでしょう。
今回は、無線LANルーターの選び方の基準についてご紹介してきました。この他にも価格帯やデザインを重視される方もいらっしゃるかもしれませんが、インターネット関連の製品では、実用性に勝るものはありません。
上記でご紹介したことを参考にして、皆さんにピッタリのルーターを選ぶようにしてください!
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